グラミー賞受賞オーケストラ来日公演。
バッハからハリウッド映画音楽まで 柔軟かつ多彩なプログラミングで聴衆を魅了!
指揮・ピアノ:フィリップ・アントルモン
1993年2月のグラミー賞授賞式はひとつのセンセーションであった。マイケル・ジャクソン、バーンスタイン指揮ベルリン・フィルなどと共に並んでいたのは、ニュルンベルク交響楽団。TVシリーズ「美女と野獣」のテーマ曲のレコーディングに対し、最優秀ポップス器楽演奏賞が授与されたのである。 ニュルンベルク交響楽団は今や国際的にその名を広め、各誌、各局で高い評価を得ているが、あまり知られてないことには、すでに1950年代前半からハリウッド映画の音楽をレコーディングしていた。1953年『クォ・ヴァディス』、1959年には『ベン・ハー』などアメリカのベストヒットの映画の曲を演奏している。 活躍の場はレコーディングだけでなく、古典、ロマン派を主なレパートリーとするコンサートオーケストラとして活躍している。最初のコンサートは第二次大戦終戦からまもない1945年7月29日、ハイドン作曲「天地創造」が聖セバルドゥス教会にて行われた。
正式な創立は1946年6月1日、設立当時は「フランケン州立管弦楽団」と呼ばれており、1963年マイスタージンガーホールを本拠地と定めた際に、「ニュルンベルク交響楽団」として新たなスタートを切った。1949年、E. クロスが首席指揮者に就任、以降1967年にクロスがこの世を去るまでの間、20年以上に渡り楽団を指揮した。クロスのもと楽団は目覚ましい発展を遂げ、ヨーロッパ音楽界の中心で確固たる地位を築き上げていった。
マイスタージンガーホールにて土曜・日曜の二日間行われるコンサート・シリーズでは世界的演奏家を招き、毎回3000名を越える観客を熱狂させている。 6、7月の夏のシーズンには、よりポピュラーなプログラムを演奏する「セレナーデ・コート・コンサート」が行われ、ニュルンベルク・シティ・パークで行われる「クラシック・オープン・エア」は、毎年5万人の観客を集めるヨーロッパ最大のイベントになっている。2004年には6万人の観客がこのコンサートに酔いしれた。
2003、2004年のシーズンには、休日のコンサート・シリーズ「クラシック・アット・イレブン」を開催し、また"降臨節"演奏会シリーズも由緒正しいシティ・ホールにて開催し、近くの有名なクリスマス市とあいまって多くの来場者を楽しませている。また若い世代へのクラシック音楽の啓蒙にも積極的に取り組み、子供のためのコンサート・シリーズは毎年8千人を動員、大きなスクリーンに映像を映しながらのコンサートも話題を呼んだ。
著名なオラトリオ合唱団からの信頼も厚い他、ハイデンハイム・オペラ・フェスティヴァルのフェスティヴァル・オーケストラとしても活躍している。ザルツブルク、ライプツィヒ、ミュンヘン、ベルリン、エッセン、アントワープなどの楽都にゲストとして招かれ演奏し、バイエルン放送他での演奏、また主要CDレーベルにも多くレコーディングを行っている。シーズン中には100を越える公演を行い、バッハからハリウッドの映画音楽まで多岐にわたるその柔軟なプログラムは、創立当時からの評判をますます高めている。
2006年に設立60周年を迎え、その記念コンサートはバイエルン放送にてライブ放映された。 2008年、ニュルンベルク交響楽団は、新たな本拠地"Neuer Musiksaal"でシーズンをスタートさせ、2008年3月の開館記念フェスティヴァルとコンサートにはバイエルン知事、ニュルンベルク市長などを迎えて行われた。 2008年6月~2009年12月の間の仮使用期間を経て、オーケストラはこの新たな本拠地で毎晩より多くの観客を楽しませるに違いない。
<プログラム>
ワーグナー:楽劇≪ニュルンベルクのマイスタージンガー≫前奏曲 ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』