溢れるロマン、濃厚な感情表現・・・
深く心に訴えかける、
ロシアの巨匠的ピアニズム
Reviews
“旋律線をじっくり歌い上げる一方で、和声を控えめに表現…濃厚なリリシズムが全体を支配する……内なる声に耳を傾け、真摯に音楽と対話する”
(音楽の友 2010年)
“ロシアの巨匠的なピアニズムの伝統を継承…多彩な響き、ロマンティックで懐の深い歌い口、濃厚な感情表現…本物の音楽を持った貴重なピアニストの一人”
(ムジカノーヴァ 2010年)
“音楽をおおづかみに捉える余裕にあふれた演奏…音楽のあるがままの姿を率直に”
(ショパン 2010年)
“ピアノを無理なくたっぷり鳴らす絶妙なタッチを駆使…シューマンの2曲はそうした彼の持ち味が作品のロマンティックなファンタジーやポエジーを見事に描出することになった妙演…ショパンに示された歌心に溢れる入魂の表現”
(ムジカノーヴァ 2012年)
“旋律線をたっぷりと歌い上げ、音の色遣いや響きの遠近感、そして速度に至るまで極めてこまやかに設定し、会場を圧倒的なファンタジーに包み込む…壮大なスケールで音楽を捉え、彼自身の客観的でストイックなスタンスは、作品の崇高さを引き出すのに大いに貢献…”
(音楽の友 2012年)
- プロフィール
エフゲニー・ザラフィアンツ Evgeny Zarafiants, piano
1959年、ロシア共和国ノヴォシビルスクにて音楽家の両親のもと生まれる。6歳より父からピアノの手ほどきを受け、8歳よりモスクワ音楽院付属中央音楽学校でエレナ・ホヴェンに師事、幼少よりずば抜けた才能を発揮し、1975年にはグネーシン音楽学校に進む。やがて南ウラルのオルスクへと移されモスクワ音楽院への道が閉ざされるという不遇の一時期を過ごす。1979年オルスク音楽院を首席卒業。1980年ゴーリキー市のグリンカ音楽院に再入学、首席卒業後、大学院にてイリヤ・フリートマンに師事、更なる研鑚を積む。この間、全ロシアコンクール、ラフマニノフコンクール等で入賞し、またリサイタル、協奏曲出演などで徐々にロシア国内その名が広まってゆく。
国際的な注目を浴びたのは、1993年ポゴレリッチ国際コンクール(アメリカのカリフォルニア州パサデナ)で第2位を獲得した時のこと。以来クロアチアに在住し、ドイツや日本を中心に精力的な演奏活動を行っている。日本へは1997年秋以来、ほぼ毎年来日し、東京をはじめ全国各地でコンサートや公開講座を行っている。
2004年ロシア・フィルハーモニー交響楽団(アレクサンドル・ベデルニコフ指揮)とチャイコフスキーの協奏曲第1番、2005年チェコ・プラハ管弦楽団(武藤英明指揮)とベートーヴェンの協奏曲第3番、2006年ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団(ヨハネス・ヴィルトナー指揮)とラフマニノフの協奏曲第2番など共演、また室内楽の分野でも圧倒的な力量を発揮し、2007年ザグレブ弦楽四重奏団とのシューマン、ブラームスのピアノ五重奏なども絶賛を浴びた。
2007年、来日10周年の際は紀尾井ホールでのリサイタル、スーパーワールドオーケストラとベートーヴェンピアノ協奏曲第3番をはじめ、各地で公演を行った。
レコーディングも活発に行っており、日本ではALMレコード(コジマ録音)より15枚のCDをリリース。「レコード芸術」特選盤をはじめ、いずれも極めて高い評価を受けている。ナクソス(NAXOS)からも3枚のCDをリリース、なかでもスクリャービン前奏曲全集のうち「前奏曲第1集」はイギリス・グラモフォン誌の月間ベスト10に選ばれるなど絶賛を博した。
2005年「音楽の友」21世紀の名演奏家事典にて、世界の注目されるピアニスト100人に選ばれるなど各方面での評価がますます高まっている。
2006 年よりザグレブ国立音楽院にて教鞭をとる。
ロシアピアニズムを受け継ぐ貴重な正統派。聴衆の魂を揺さぶるような濃厚な感情表現と圧倒的ファンタジー、精神性の高い演奏は、演奏会のたびに聴衆に大きな感動を呼び、熱烈なファンを増やし続けている。